(13)地質学と古気象学のページ OWLのひとりごと
13)地質学と古気象学のページ
地質学のページ 2016.5.31
地質学と古気象学に関するメモ
地球創世から46億年といわれている。気の遠くなるような時間を経て、現在私たちが目にする大自然が存在する。人類の歩みはたった少し前に始まったばかり。小さな争いごとから目を転じて視野を拡げると、私たちの進む道筋がわずかに見えていこうというもの。
次の図は地球時計である。12時の位置を地球の始まりとしている。時計回りに冥王代(Hadean)、始生代(Archean)、原生代(Proterozoic Eon)を経て、残りは顕生代と呼ばれ古生代(Paleozoic)、中生代(Mesozoic)、新生代(Cenozoic Era)から成り立つ。
全体を12時間とすると、原生代を終える5億4千万年前頃には既に10時半を過ぎ、古生代に入ってようやく陸上の脊椎動物が出現する。哺乳類は11時過ぎにようやく登場する。
地球時計
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Geologic_Clock_with_events_and_periods.svg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
単一起源説にもとづく現生人類の登場は約9万年前である。そう考えると、人類が生まれてから現在までたった0.8秒(0.845秒)しか経っていない。我々人間の歴史がこれほど短いとは驚きである。
地質年代区分と日本語-英語対照表はGeochronology.xlsを参照されたい。
次に地球全体の地形がどのような姿だったか?ファイルがあるので並べておこう。
プレートテクトロニクス理論では、パノティア大陸、ロディニア大陸が約10億年前~7億年前に存在した。ロディニア大陸が分裂してゴンドゥワナ超大陸が出現(6億年前)。
その後パンゲア超大陸の形成(2億6千万年前、2億2千万年前の地図)、ゴンドゥワナ超大陸とローラシア超大陸への分離(1億7千万年前の地図)、南アメリカ大陸/アフリカ大陸の分離(1億5百万年前の地図)が描かれている。
またインド亜大陸の北上(1億5百万年前、5千万年前の地図)とローラシア大陸の合体、ヒマラヤ山脈造山運動(2千万年前から2百60万年前の地図)、カスピ海/黒海/ウラル山脈の形成(1億5百万年前から2百60万年前の地図)などたいへん興味深い。
6億年前
Ediacaran, Late Proterozoic Eon, 600Ma
原生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_600moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
5億年前
Late Cambrian, Paleozoic Phanerozoic Eon, 500Ma
カンブリア紀 古生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_500moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
4億5千万年前
Late Ordovician, Paleozoic Phanerozoic Eon, 450Ma
オルドビス紀 古生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_450moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
4億3千万年前
Cilurian, Paleozoic Phanerozoic Eon, 430Ma
シルル紀 古生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_430moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
3億7千万年前
Late Devonian, Paleozoic Phanerozoic Eon, 370Ma
デボン紀 古生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_370moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
3億年前
Pennsylvanian, Carboniferous, Paleozoic Phanerozoic Eon, 300Ma
石炭紀 古生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_300moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
2億6千万年前
Late Permian, Paleozoic Phanerozoic Eon, 260Ma
ペルム紀 古生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_260moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
パンゲア超大陸の想定図
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
2億2千万年前
Late Triassic, Mesozoic Phanerozoic Eon, 220Ma
三畳紀 中生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_220moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
1億7千万年前
Middle Jurassic, Mesozoic Phanerozoic Eon, 170Ma
ジュラ紀 中生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_170moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
ゴンドゥワナ超大陸の存在を示唆する古生物化石の分布
Süd-Amerikaは南米大陸、Afrikaはアフリカ大陸、Antarktikaは南極大陸、Indienはインド亜大陸、Australienはオーストラリア大陸である。
古生物の化石が発見されている特徴的な地域が図示されている。Cynognathusサイノグナトゥス(オレンジ色)、Lystrosaurusライストロサウルス(茶色)、Mesosaurusメソサウルス(青色)という動物の他、Glossopterisグロッソプテリスという植物の化石(緑色)も見つかっている。
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
1億5百万年前
Late Early Cretaceous, Mesozoic Phanerozoic Eon, 105Ma
白亜紀 中生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_105moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
5千万年前
Eocene, Paleogene Cenozoic Phanerozoic Eon, 50Ma
始新世 古第三紀 新生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_50moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
2千万年前
Miocene, Neogene Cenozoic Phanerozoic Eon, 20Ma
中新世 新第三紀 新生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_20moll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
2百6十万年前から現在
Present, Quaternary Cenozoic Phanerozoic Eon, 2.6-0Ma
第四紀 新生代 顕生代
http://en.wikipedia.org/wiki/File:Blakey_presentmoll.jpg
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
パンゲア超大陸から現在の世界地図への変化をアニメーション化したGIFファイルがある。
パンゲア超大陸から現在の地形へのアニメーション
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
上記に先立つ7億5千万年~6億4千万年前は、スターティアン-マリノア氷期(Sturtian-Marinoan glaciation)という凄まじい氷期だった。地球全体が氷に包まれていたと推定されており、スノーボールアースと呼ばれている。
スノーボールアースの想像図
Wikipediaによる(CC BY-SA 3.0)
地球を襲った氷河期と間氷期、亜氷期と亜間氷期についての対照表も作成してあるので参照されたいGlacial Stadial.xls。
顕生代(Phanerozoic Eon)における気候変化の推移
横軸に年代(単位は百万年、左が古く右端が現在)をとり、縦軸にδ18 Oの値(上ほど温暖で下ほど寒冷)をとっている。
青い実線は短い期間の平均を、黒い実線は長い期間を通しての平均を表している。
Cmカンブリア紀、Oオルドビス紀、Sシルル紀、Dデュボン紀、C石炭紀、Pペルム紀、Tr三畳紀、Jジュラ紀、K白亜紀、Pg古第三紀、N新第三紀。
図下部の青いバーは特徴的な氷期を示し、4億5千万年前頃のはアンデス-サハラ氷期、3億年前前後のはカルー氷期、古第三紀や新第三紀のは最終氷期である。淡い青色のバーはそれらほどではないものの、氷期に準じる寒冷期だった。
最終氷期末期から現在までの気温変化の推移
南極大陸の氷床氷を解析したデータ。EPICAはEuropean Project of Ice Coring in Antarcticaで欧州のグループによる共同解析、Vostokはロシアのヴォストーク基地附近の氷床解析でロシア、米国、フランスの共同研究プロジェクト。
横軸に年代(単位は千年、左端は古く右端が現在)を示し、縦軸に現在との温度差をΔTemperature、相対的な氷の体積の推移をHigh-Lowで表している。
Dome C、DMLがEPICAでボーリングした場所、Vostokがロシアのヴォストーク基地を示す。http://www.awi.de/fileadmin/user_upload/News/Press_Releases/2005/4._Quarter/EDC4_p.jpg ドイツ、アルフレッド-ウェゲナー研究所のHPより。
ちなみにグリーンランド氷床氷解析プロジェクトにおけるサンプル採取位置は次の通りである。
GRIPはGreenland Ice-Core Project、GISP2はGreenland Ice Slice Project 2の採取位置。
図はNorth Greenland Ice Core Project members, Nature 431, 147-151(2004)による。